かかりつけデザイナーのすすめ

ホームページの制作はウェブ制作会社へ
チラシのデザインはフリーランサー・印刷や製本は印刷会社へ
配布計画はポスティング業者・折り込み業者へ
看板のデザインと制作は看板屋さん
名刺の作成はOA機器屋さん…

多くの企業が上記のように、社長自ら・または社内の広報担当者が自ら案件ごとに様々な依頼先へ外注している状態をよく見かけますが、かなり無理・ムラが生じます。

これだけ様々な外注先に
「等しく同じように企業コンセプトを伝える・理解してもらう」
ということは容易ではありません。


企業コンセプトの理解が統一されていないと、当然出来上がったデザインにもばらつきが生まれ結果としてターゲットに正しく認識されず、その原因がどのデザインなのか、どのデザインを修正すべきかの改善点も曖昧になってしまうという負の連鎖を引き起こします。

案件ごとに自社内での担当者が変わる場合などは更に最悪です。
まさに出来上がった各成果物のデザインやクオリティも全く統一感がなく、まるで違う会社のアイテムのようになってしまうこともよくあります。

そのような事態を避けるためにも「かかりつけデザイナー」を1名に絞り、全てのデザイン制作業務ををかかりつけデザイナーというフィルターを通して外注することをお勧めいたします。

かかりつけデザイナーの条件

かかりつけデザイナーを誰か1人に絞る際、いくつか選定基準がありますが
何より大切なことは「企業理念を社長と同じレベルで認識できる人」です。

よく勘違いされがちなのは、そのデザイナーが過去にどんな企業の何をデザインしたのか。
過去どれくらいの企業やお店のデザイン・プロモーションに関わってきたのか。
そのような実績の大きさや実績の多さを判定基準にしてしまいがちですが、
実績とは、言い換えれば「すでに終わっている過去の栄光」の事であり、
そんな過去の栄光よりもこれからの会社の未来を託す相手に最も必要なのは
「企業理念を社長と同じレベルで認識できる」ということです。

なぜなら、過去にどんな大きな企業の広告デザインを担当したことがあったとしても
それがイコールあなたの会社のデザインコンセプトにはなり得ないからです。

もちろん、今まで数多くのデザインを経験しているデザイナーは、引き出しも豊富で様々なアイデアを出してくれる可能性はありますが、「企業理念を社長と同じレベルで認識できる人」でなければ、
どんな経験もどんなアイデアも全て的外れなものになります。

もっと分かりやすくいうと、社長と考え方が似ている人。
初見から社長が気に入った人。社長と気が合う人。
社長となんとなく服装が似ている人。

かかりつけデザイナーがいれば
「次回のチラシ、今までよりもう少しいい感じでデザインして欲しい。」
のような、とんでもなく抽象的な依頼にも、
おおよそ方向性を理解して希望のデザインを実現してくれます。

かかりつけデザイナーは、社長の趣味趣向の流れも理解しているので、
社長にとって、1年前のカッコイイというニュアンスは〇〇なテイストだったが
現在カッコイイと感じるニュアンスは〇〇なテイストのものに変わっている。

さらにはメインターゲット層の微妙な変化(ターゲット層の移動)も理解しているので
現在のターゲットに響きそうなテイストで、社長の求めるカッコイイを具現化すると
このようなイメージになるはずだ。

このような高度なロジカルシンキングを経由してデザインを作成することができるのは
たまたまセンスが合致したデザイナーではなく、長い時間会社の成長とともに歩んできた、つまりこれまでの歴史を共有してきた「かかりつけデザイナー」以外いないのです。

かかりつけデザイナーとの関わり方

かかりつけデザイナーを「この人だ」という1人に絞ることができたら
どのように関わっていくか、どこから相談・依頼すべきかという「相談のタイミング」が重要になってきます。

結論から言うと「ふと思いついた瞬間から関わってもらう」
一番おすすめできないのが、一通りの戦略や掲載内容を社内会議で決定し、その決定事項に従ってかかりつけデザイナーに「デザインだけを発注する」というパターンです。

一見やってしまいがちなこの流れと発注タイミングですが、なぜこれがいけないのか。
「デザイン」とは「絵を描くこと」ではなく、
ビジネスのゴールまでの道筋を「設計する」ということだからです。

ゴールまでの道のりを設計するということは当然
戦略や方向性を決めるフェーズから一緒に参加しなければいけません。

つまり、今季最後の3ヶ月間でなんとか売上を盛り返したい!そのためには今度の夏に何かを企画して広告を打とう!と思い立ったその瞬間にかかりつけデザイナーに相談してください。
「今期ここまでの売り上げ低迷分を残り3ヶ月で巻き返せるような企画を今度の夏に打ちたいんだけど、何か良い方法ある?」
といった具合です。

このように、本当の意味で「出だしから関わる」ことができて初めて、かかりつけデザイナーの能力を100%引き出すことができます。

つまり販促コンサルタント

かかりつけデザイナーとは、ここまで述べたように
「企業理念を社長と同じレベルで認識できる人」であり、戦略立案の段階から依頼主にコミットして調査・分析・ゴールへの設計を設計してそれをデザインに落とし込むことができる人です。

かかりつけデザイナーとは「販促コンサルタント」とも言い換えられます。

ぜひ御社も、そのような
頼れるかかりつけデザイナーを探してみてください。