反響の高いチラシの作り方

チラシの目的を明確に

チラシの目的を明確にする。というと販売目的なのか・来店目的なのか・会員登録か…
と普通なら考えますが、ちょっと違います。

このコラムで伝えたいことは

ブランディングが目的の広告活動

セールス(販売)が目的の広告活動

では、大きく内容を変える必要があるという事です。

ユニクロ/UNICROに習え

ユニクロのチラシを見たことはありますか?
いかにも量販店のそれらしく、季節の商品をお買い得商品に構えて豊富なラインナップをチラシ全面に訴求している内容で、初めて見た方は「あれ?これユニクロのチラシなの?」と戸惑うことはないでしょうか?

なぜなら、ユニクロといえば日本を代表する衣料品メーカーで、世界中に店舗がありプロモーションやテレビCMでは外人さんのモデルがシュッとキメていて、いかにも先進的でハイセンスな衣料品メーカーの演出をしているのをよく見かけるからです。

都会のビルの壁面にある巨大な看板やデジタルサイネージなどでも、全て上記のようにシュッとしたイメージのオシャレな広告が基本です。

ですが、チラシだけは違う。

ユニクロのチラシだけはいかにも安さと品揃えがウリの量販店の装い。

ユニクロのこの戦略を紐解くことで、みなさんが失敗しまくっている
「ナルシストなチラシ」が失敗する理由を解明できます.

セールス目的のチラシはオファーがすべて

チラシをよく見てくれる方・チラシを見て実際に行動に移してくれる方の特徴として
どんなオファー(値引き・特典・情報)があるのかを楽しみにされている傾向がとても強く、イメージ戦略やブランディングを目的としたチラシは、ほとんどその意味をなさないことを理解しましょう。

オファーとは、わかりやすく言うとお客様が
「で?私にどんな良いことがあるの?」という疑問に答えられる何かのことです。

最も簡単なものが値引きやクーポンなどで、
クオカードやギフト券などもその類、イベントの案内やお役立ち情報、逆に
これを知らないと損しますよ。という不安を煽る内容も結果的にはオファーとなり得ます。

特に、ひとは
何かを得たいという欲求より今あるものを失いたくない・損をしたくないという不安の回避の方がより強い行動を喚起できるので、使い方によってはとても有効です。

また、どこでも手に入らない商品や人気の限定商品などは、一切の値引きがなかったとしても「その商品を買えるということ自体が強烈なオファー」なので、単なる告知でも反響率は高まります。
そこまで極端な商品でなくとも、地域に一つしかない学習塾・スイミングスクールなどの場合も「存在していること自体がオファー」にあたるので、ただの告知で集客できる可能性は高いです。

チラシでは、以上のようなはっきりとしたオファーを打ち出す必要があります。

オファーのないチラシはお客様にとって「行動する理由がない」という状態であり無駄になる可能性が高いので、強いオファーが用意できないのであれば、そもそもチラシを打つべきではありません

構成ありきで考えない

「効果的なチラシを作る方法」等と検索してみると、AIDAの法則やAIDMA・AISASなど、まるで攻略法のように紹介されている記事が散見されますが、現実にはそんな攻略法は無意味です。

チラシを「わかりやすく・よみやすくまとめる方法」くらいには役に立つと思いますが
その通りに内容を構成しても決して反響が高まる・反応率が上がるなんてあり得ません。

なぜなら、前述したようにチラシとはオファーが全てだからです。

オファーが弱いチラシは、どんなに構成を工夫しても、キャッチコピーを強烈なものにしたとしても最高のデザインを施したとしても、結局は行動に移されません。

大切なのは、どんなオファーをつければお客様が行動を起こしてくれそうか?をまず入念に考え、
これだ!と思うものが出てきたらそのオファーに向かってチラシを構成していきます。

ブランディングにチラシは不向き

逆に、ブランディングやイメージアップを目的としたプロモーションの場合、当然ながらオファーの情報が無いのでチラシを打っても特に何も響きません。

セールス(今すぐ購入して欲しい)とブランディング・イメージ戦略の中間に位置するような、
「とにかく自社の存在を知って欲しい」という場合のみ、チラシでもある程度有効ですが、そのかわりお客様に会社名や商品サービス名を「擦り込む」必要があるので、同じエリアに同じチラシを複数回にわたって撒き続ける必要があります。

ブランディングやイメージ戦略で最も有効な手段はCM(最近流行りの映画館CMも含みます)、次いで野立てや駅ビルなどの大きな面積を使用した看板・サイン広告となります。

なぜかというと、イメージのみを発信するプロモーションは、前提として、くどくど説明したり、特徴や裏付けを文章や図説で解説するようなコンテンツは邪魔なので、イメージドン。として
一瞬でその世界観・コンセプトが伝わることが大切になるからです。

効果的なチラシの作り方まとめ

いかがでしたでしょうか。

大前提として、ブランディング目的の時とセールス(行動を起こしてもらう)目的の時と、打つべきプロモーションの土壌が異なるということと、
チラシとは、構成やデザイン云々ではなく「強烈なオファーこそすべて」ということをご理解いただけましたでしょうか。

この理解をしっかりと頭に入れた上で、是非日常に・身の回りに溢れている様々なプロモーションを観察してみてください。

日々見かけるチラシに「どんなオファーが記載されているか」にしっかり注目して、良いものがあれば自分のビジネスに横展開できないか試行錯誤してみてください。

それこそが「反響の高いチラシの作り方」そのものです。